課題と選択
これまで以上に安心・安全なサービス提供の実現を目指せ
リモートアクセスによるお客様システム構築・保守の安全性担保をどう実現するか？
ソフトクリエイトでは、お客様システムの構築やその後の保守・運用サービスをソフトクリエイトのオフィスからリモートアクセスで接続し、構築作業や保守・運用サービス提供を積極的に行っています。お客様先にリモートから接続可能なVPN等の機器を設置し、必要に応じて技術者がオフィスからお客様先へ接続して作業を行うことで、移動時間が不要となり、より迅速にサービスを提供することが可能です。現在、年間1500社におよぶお客様に対してリモートでの保守・運用サービスを行っており、約100名の技術者が必要に応じて、オフィスからお客様システムに対して操作を行なっています。
「当社では、設計から構築、保守・運用までトータルでお客様をサポートすることに加え、お客様に安心してご利用いただけるサービスの提供に注力しています。そのため、技術本部では、情報セキュリティの分野で現状を常に見直していました」(沼田氏)
技術本部で改善の余地があると判断したのは、このリモートによる構築および保守・運用サービス時のお客様システムに対する操作の安全性を担保する仕組みでした。
「当社では、お客様のシステムに対する操作は、テキスト形式のログが出力されるシステムによって履歴を残していました。しかしながら、出力されるログの内容は、必ずしも操作内容を完全には網羅しておらず、安全性を担保するための仕組みとしては十分ではないと考えていました」(二木氏)
「お客様のシステムに対して操作をするわけですから、どんな細かな操作内容でもしっかりチェックできる仕組みが必要だと考えました。システムには影響がないものの、ちょっとした誤操作を見直すことができれば保守サービスそのものの品質向上も期待でき、お客様により安心いただけるサービスの提供ができます」(沼田氏)
このことから、ソフトクリエイトでは、リモートアクセスで行われる保守サービスの操作を克明に記録し、詳細に確認できるソリューションの導入を検討開始しました。
エンカレッジ・テクノロジの製品に対する高い信頼感と導入実績から迷うことなくESS RECを採用
ソフトクリエイトは2017年2月頃からソリューションの要件を固め、検討を進めました。
●動画形式による作業内容の記録
●横展開しやすい柔軟性
●誤操作などがあった場合の再発防止
結果、ソフトクリエイトでは検討から約1か月程度でESS RECの採用を決めたといいます。その理由はなんだったのでしょうか。
「決め手は大きく2つあります。1つ目は、ESS RECが動画形式で操作内容を記録するという点です。Windowsサーバーに対する操作はデスクトップ上でマウスを使った操作が多く、テキスト形式のログでこのデスクトップの操作内容を完全に網羅することは不可能です。動画形式なら、操作しているデスクトップの画面をそのまま記録するため、どんな操作をしているのかが一目瞭然です。2つ目はこれまでの導入実績に基づく信頼性です。当社のグループ会社を含め、ESS RECは操作証跡の分野で多くの実績があり、その評判も非常に良いことから、高い信頼がありました」(二木氏)
「当社はセキュリティ製品も扱っていますので、常に最新動向をチェックしていたことも、情報収集に時間をかけず、早期にESS REC採用に踏み切れた理由といえますね」(沼田氏)
導入と効果
追求した情報セキュリティレベルの向上に加え、オペレーションの品質向上にも貢献
インストールも容易に完了、保守サービスにおけるすべての操作内容を動画形式で記録する体制へ
ソフトクリエイトでは、お客様のシステムに対するリモートアクセスを中継する専用サーバーを用意し、そのサーバーにESS RECを導入する形式を選択しました。技術者がリモートでお客様システムへアクセスする場合、この中継サーバーを経由してアクセスするようにネットワークを設定することで、アクセス元の環境に依存せず、操作内容を漏れなく記録することが可能になります。
「中継サーバーやネットワークの構築からESS RECの導入まですべて自社で行いました。ESS RECのインストールは容易なうえ、マニュアル類も充実していますので、簡単に導入できました」（二木氏）
中継サーバー方式を選択した大きな理由は、ESS REC導入の際に、提供している各種サービスの中断が許されないという条件を満たせるという点です。中継サーバー方式であれば、アクセス経路を切り替える直前まで、従来のアクセス方式を維持できるうえ、移行時もアクセス経路を変更するだけで、お客様システムはもちろん、アクセス元の端末などの設定変更なども不要であることから影響がほとんどありませんでした。
また、リモートで構築および保守・運用サービスを担当する技術者にとってもこの仕組みに違和感はなかったといいます。アクセス中継サーバーを経由する方法に変更になったものの、それに慣れてしまえば全く問題なかったといいます。
「セキュリティ対策を講じる上で、操作を制御・禁止するなどにより利便性や効率性が犠牲にならざるを得ない場合もありますが、ESS RECの導入の場合にはそのような問題も発生しませんでした」(沼田氏)
どんな操作内容も見逃さず、保守サービスのセキュリティと品質を同時に強化できる
ソフトクリエイトでは、同年7月頃からESS RECの本格運用を開始しました。今回のESS REC導入を通じて、ソフトクリエイトのリモート構築および保守・運用サービスの安全性に関するレベルは格段に上がったといいます。
「ESS RECを導入することで、当社が求めていた情報セキュリティのレベルを無事達成することができました。今まで以上にお客様が安心して利用できる情報セキュリティ対策を確立したことで、当社自身、当社のサービスに非常に誇りを感じています」(二木氏)
「ESS REC Serverに保管されている操作記録を見てみましたが、やはり動画形式による操作内容の記録は、テキスト形式のログでは把握しきれない細かな部分までしっかり確認できる点に大きなメリットを感じています。これなら、システムに影響しない小さな誤操作であっても、ESS RECの記録を見ることで短時間かつ容易に原因を発見できますので、再発防止策を立てることができます。ESS RECの活用を通して、保守サービスのオペレーションの品質向上にもつなげていきたいです」(沼田氏)
図 ESS REC 導入後の株式会社ソフトクリエイト
展開
ESS RECは自社サービスを支える基盤の1つといっても過言ではない
今後ESS RECをお客様に提案していくことも視野に
お客様のご要望やご都合に合わせ、ソフトクリエイトのエンジニアは24時間365日いかなるタイミングでもリモートアクセスを行う可能性があります。それゆえ、ESS RECがこれらの操作を確実に記録することは、情報セキュリティ対策の1つとして大きな役割を果たしています。
「そういった意味では、ESS RECはまさに当社のサービスを支える基盤の1つといっても過言ではありません。現在、ESS RECが導入されたアクセス専用サーバーは、業務時間中は常に15～20人のエンジニアがリモートアクセスをする際に経由していますので、その活用頻度からしてもESS RECの効果は絶大です。使用感も満足しています」（二木氏）
「今回のプロジェクトにより、お客様に対してよりセキュアなサービスを提供できるようになりました。ESS RECは当社の今後のビジネスの成長を支えるソリューションの一つだといえるでしょう。また、今後は、当社でもESS RECをお客様に販売・構築していくことも視野に入れています。エンカレッジ・テクノロジと当社で複合的にセキュリティ対策を実現する製品やソリューションを提供することで、お客様をより支援したいと考えています」(沼田氏)
エンカレッジ・テクノロジは、ソフトクリエイト様のようにお客様を第一に考え、情報セキュリティ対策の強化に注力するお客様のサポートに今後も努めて参ります。
※本内容は、2017年10月時点のものです。