課題と選択
オペレーターの働き方の多様化に向け、セキュアな在宅勤務環境を構築したい
機密情報を扱う以上、在宅勤務の業務を可視化してセキュリティ対策に万全を期したい
オールコネクトのコンタクトセンター は、同社が展開する各事業において、顧客や取引先に対する窓口の役割を担っており、問い合わせに迅速かつ的確な回答を行ったり、課題を解決するための提案を行っています。以前より通信キャリア各社などの代理店としてコンタクトセンターを運営することで、スキルやノウハウが蓄積され、高い評価を受け拡大を続けてきました。
現在では全国9拠点およそ800席で月間60万件ほどのコールを扱っています。
オールコネクトはより優秀な人材を確保するため、働き方の多様化を推進する取り組みを開始。2017年ごろからオペレーターの在宅勤務の導入を検討しました。
とはいえ、コンタクトセンターの業務は機密性の高い顧客情報を扱うことが多く、在宅勤務の導入に際しては、より一層のセキュリティ対策が欠かせません。この点について情報システム本部を統括している執行役員の前田氏は「お客様の大事な情報をお預かりする以上、それが外に漏れることは絶対に許されません。ゆえに、社内のコンプライアンス部門はもとより、クライアントである通信キャリアや一次代理店から求められる厳しいセキュリティ要件をクリアする必要がありました」と説明します。
オールコネクトでは、まずは自社サービスのコンタクトセンター業務を対象に一部在宅勤務をスタートさせることにしました。セキュリティ対策も精力的に取り組み、オペレーターへのセキュリティルール遵守の徹底はもちろん、始業前の勤務環境の撮影、シンクライアントを採用したセキュアな業務環境を構築しました。ただ、これらのセキュリティ対策を実施していても、在宅勤務での業務は機密情報を扱わない範囲に留めざるを得なかったとのことです。
「仮想デスクトップにはAmazon WorkSpacesを採用していますが、アクセスできるIPアドレスを制限することで、在宅以外での業務はできないようにしています。また、シンクライアント端末で業務を行いますので、ファイルのコピーやダウンロードもできないようになっていますが、どんな業務や作業をしているかまでの確認や把握はできないため、万全なセキュリティ対策とは言えませんでした」(前田氏)
また、セキュリティ面のみならず、指導面でも課題があったといいます。
「在宅勤務では、オペレーターの状況が把握できないため、的確な指導や教育が難しいという点は、現場からも要望があがっていました」(乙部氏)
業務の確実な可視化と監視、分析レポートの出力まで実現するESS REC NEAOを高く評価
転機は、エンカレッジ・テクノロジが提供するモニタリングツール「ESS REC NEAO」と出会ったことでした。以前からオペレーターの業務を可視化するアイディアとして、在宅勤務時はPC横に監視カメラを設置してはどうかという議論があったのですが、物理的なカメラではオールコネクトが求めるセキュリティレベルに達しないため採用には至りませんでした。
「物理的な監視カメラでは、カメラの死角に入ってしまえば何をしているか把握ができません。しかし、ESS REC NEAOはPC操作の内容を動画とテキスト形式で記録できる網羅性・確実性で、監視カメラ以上の効果を発揮すると考えました」(前田氏)
「操作内容をリアルタイムでモニタリングできる点も魅力的です。業務内容をリアルタイムで把握できることで、オフィス同等の環境で指導・教育ができるのではと考えました」(乙部氏)
さっそくエンカレッジ・テクノロジに詳細を問い合わせたところ、ESS REC NEAOはまさにオールコネクトが求めていたソリューションであることがわかりました。
「ESS REC NEAOは、事前に設定したルールに基づいて操作内容を監視したり、操作記録を分析してレポートとして自動出力してくれる点も実用的だと考えました。元々社内の一部で利用している録画ツールと比べても、在宅勤務用に最適化された機能やライセンス体系の面でESS REC NEAOは要件にマッチしていました」(乙部氏)
「操作内容のモニタリングからルール定義に基づく操作監視・検知、さらには分析レポートの出力まで、必要な機能をオールインワンで実現できるのは衝撃的でした」(前田氏)
オールコネクトはESS REC NEAOのトライアルを実施。結果は上々で、コンプライアンス部門からの評価も高く、正式な導入が決定しました。
導入と効果
これ以上ないセキュリティレベルの在宅勤務環境を実現、オペレーター業務の分析にも貢献
分析レポートで容易に業務をモニタリングすることでセキュリティ対策の形骸化を防止
ESS REC NEAOの導入作業は、情報システム本部の社内インフラの担当者が実施し、ルール設定などもエンカレッジ・テクノロジの支援もありスムーズに進めることができました。
これまでのセキュリティ対策に加えESS REC NEAOを導入したことにより、在宅勤務の業務環境としてはこれ以上ないセキュリティレベルを実現したといいます。
「単に録画するだけではセキュリティ対策の取り組みは形骸化しかねません。そのためにも、定期的な操作内容のモニタリングが必要ですが、実際の録画データをすべて人の目でチェックするのは非現実的です。しかしESS REC NEAOであれば、録画データで確認すべき箇所だけをレポートとして抽出してくれる上、定期的なモニタリングやインシデントの原因究明なども工数を割くことなく実現できます。レポートの内容も柔軟にカスタマイズできるため、現場の意見を取り入れつつ、より実用性の高いレポートに改善していける点も助かっています」(乙部氏)
詳細な操作記録は、アカウンタビリティの確保やオペレーターの教育にも活用
さらに、操作画面を録画することで、万が一何か起きてしまった場合でもアカウンタビリティ(責任追跡性)を確保できるようになったことは大きいといいます。
「操作内容は動画形式で記録されていますので、オペレーターの説明がなくても当時の状況確認が容易に実施できます。また、ESS REC NEAOなら、操作内容を検索して該当の記録の頭出しができますので、検索性にも優れています」(乙部氏)
「その点、ESS REC NEAOは活用の幅がセキュリティ対策以外にも広いことはありがたいですね。分析レポートや操作記録は業務分析にも活用できるでしょう。たとえば優れたオペレーターはどのような操作を行っているのか、他のオペレーターとどこが違うのかといった点を洗い出し、教育や研修に役立てることで、オペレーターの生産性とパフォーマンス向上にもつながるのではないかと期待しています」(前田氏)
図 ESS REC NEAO を導入後のオールコネクト様
展開
将来的には、在宅勤務のオペレーター増員やESS REC NEAO適用範囲の拡大も
今回のESS REC NEAOの導入により、在宅コンタクトセンターを展開していく準備が整ったことから、オールコネクトはまず自社サービスを扱うオウンドサービス事業へ本格的に適用して、在宅コンタクトセンターの実績と信頼を積むことを検討しています。将来的には、在宅勤務でのオペレーターのさらなる増員の他、ESS REC NEAOの適用範囲をオフィス勤務の社員や業務を委託しているパートナー企業へ展開することも視野にあるようです。
「在宅勤務のオペレーターを募集した際には、募集人数に対して20倍以上の応募があり、優れた人材を採用することができました。これは、育児や介護などの理由で優秀なオペレーターが辞めざるをえない状況がある一方で、在宅で仕事ができるのなら復帰したいと考える人が多いということなのでしょう。つまり、在宅勤務が可能な環境があれば、優秀な人材を確保しやすくなるのです。こうした点を考えると、ESS REC NEAOは私たちのビジネス拡大にとって必須のツールだと思います」(前田氏)
エンカレッジ・テクノロジは、オールコネクト様のようなセキュアな在宅勤務環境の整備に注力するお客様のサポートに今後も努めてまいります。
※本内容は、2020年12月時点のものです。